地理院地図の実力

この3月から誰でも無料で閲覧できる地理院地図の機能が強化されました。
その中で私が興味をもったのが、下のような「二画面表示」の機能です。

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左が現在の地形図。右は1974~78年の空中写真です。昔の地形図は「大人の事情」で
公開できないため、地名などが掲載されていない空中写真を表示することができます。

そして一番優れた機能は、左の地図中のほぼ中央にある「+」マークと同じ場所が
ちょっと見にくいのですが、右の写真にも「+」で表されるのです。

右の+が位置しているのは、都営浅草線西馬込駅付近のかつての車両検査修理工場に
つながる引き込み線に置かれ、左の今の地図をみるとどうやら空き地になっているようです。
ここで、Google Mapのストリートビュー機能を使えば、現地に行かずともおよその今の
様子を把握できますが、それは最終手段というもの。
ということで、午前中の用事と夜からの会合の合間に、西馬込に行ってきました。

工場の跡地は私立学校の敷地となっていました。そして線路跡は駐車場になっていました。

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駐車場の看板に「東京都営交通協力会」とあります。線路跡、確定ですね!!
もう少し南、つまりトンネルの入口の方向に行くとこんな感じ。1990年代出張でこの
あたりに来た時に、まだここに線路が残されていた時代の光景を見たのですよね。
でも、まだデジカメなんてなかった時代だったから、カメラなんて持ち合わせて
いなかったのです。正面の工事中の建物のあるあたりが、きっとトンネルの入口なのでしょう。

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きっとこの建築中の建物のある場所が昔の線路で、画面右手の土地は少し高くなっている
ので、ここがトンネルの入口でしょう。「西馬込 車両工場 引き込み線」という
キーワードで検索していただくと、線路があった時代の写真を公開されていらっしゃる方の
サイトにたどり着けますよ。

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と、満足して西馬込駅に戻ってきたらまた新たな疑問が。先ほどのかつてあったトンネルは、
この本線のどこから分岐しているのか。とガラガラの車内なのに運転台の後ろから前を凝視
しましたが、分岐も、トンネルを埋められた形跡も亜りませんでした。

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ということは・・・この西馬込駅。階段を下るとこの線路の下の階まで降り、そこから階段を
上がってホームに出るという、「だったら余計なところまで下ろさせるよコラ!!」という
気分にさせられる構造なのです。

ということは、上の写真の右のホームの壁の向こうに、引き込み線につながる線路が
あって、その線路と干渉しないためにこのような構造にしてあるのか?と推察して
wikiで検索すると(wikipedia西馬込駅」より)以下のような記述がありました。

「なお、2004年6月までは当駅北側に馬込車両工場があった。工場への出入りは
2番線ホームの西側に壁で隔たれたところにある駅北側より地上へ露出する連絡線
(工場線)を使用して行っていたが、同工場の廃止と馬込車両検修場への機能移転に
よって連絡線は廃止されるとともにトンネルも解体され、地上口近くの地下トンネルは
ほぼすべてが埋没し、トンネル跡地の一部に2番線ホームと改札内コンコースを
結ぶエスカレーターとエレベーターが設置された。」

とあり、疑問が解消されました。
地図と現地調査いろいろ推理するのって楽しいですね。