貝塚巡り

二週間ほど前お話。

田町で用事を済ませ、おじさんたちを町歩きに連れ出しました。
今回の目的地は大森貝塚です。超有名ですが、私は行ったことがなかったのです。

まずは大井町でおります。ところで画面右側の線路脇に見える水色のパイプは
なんだかわかりますか?

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これ、横須賀線の品川駅~東京駅あたりのトンネルに湧き出た水を排水しているパイプなのです。
私はてっきり下水に捨てているのだと思っていたのですが、わざわざ大井町まで運んでいるのです。
そして立会川に流していて、河川の浄化に役立てているというのです。なかなかいい
イデアですよね。武蔵野線の湧き水を西国分寺の姿見の池に流しているとは知っていましたが、
この事例は知りませんでした。あとは東北新幹線上野駅付近の湧き水は、不忍の池に
排出しているらしいです。

立会川への排出はこの辺りなのですが、どうやら工事中のようで具体的な部分は
見えませんでした。護岸のコンクリートの上には鉄板があって堤防がかさ上げしてあります。
都心部ゲリラ豪雨対策なのでしょうね。しかしこの高さまで水が来たら怖いですね。
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近くには、墨田区の天水尊?のような雨水蓄え装置がありました。こうすれば少しは
河川に入り込む水も少なくなり、しかも雨水の有効活用にもなりますよね。
もっと普及してもよいのになぁ、と思います。

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タンクのあったところから左を向くと、ちょっとした広場があり、そこには土嚢が
積まれていました。ここ以外にも土嚢が積まれている場所があり、水害と隣り合わせの地区だ
ということがよくわかります。

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大井町なんて、大井工場の見学会の時以来降りたことがない町です。ですから町歩きは初めて。
なんとなく高級住宅街というイメージがありましたが、やはり京浜急行側は下町ですね。
上の写真の左に小さく写っている中華料理屋のディスプレーがディープでした。

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さて、そろそろ貝塚に向かいましょうかね。いやいや、近くには鈴ヶ森の刑場が
あるではないですか。ここは外せないですね。第一京浜国道の拡張によって若干
移転したようですが、きちんと保存されていました。ここには関東大震災時の
死者を弔う石碑もありました。火災というと下町というイメージが強いのですが、
この辺りも沖積低地で地盤が弱いですからね。家屋が倒壊し、その後を火が襲ったのでしょう。

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さて今度こそ貝塚です。写真はないのですが、途中暗渠があり、「ここは川の跡だね」と
私が言うと、H氏は「どうしてそんなことがわかるの?」と驚いたように聞きます。
「だってこの道、くねくね曲がっているし、道路を見るとここが一番低いでしょ?」と
いうと、「そんなこと考えたことがなかった。」と言われました。H氏も時々食べ歩きがてら
町をぶらぶらするそうなので、そんな地形や地域を見る目をもってくれたならば、
もっと楽しくなのことでしょう。

さて貝塚です。品川区の方は大きな公園になっていました。そこにあった石碑はこんな感じ。
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今回この地域をあるいて知ったのは、ここがある種の海食崖で、東海道線はその崖の下を
走っていたということ。だからモースは崖に貝を見つけることができたのですね。
まぁ、昔は蒸気機関車で速度も遅かったから見つけやすかったのでしょう。

なお、貝塚大田区にも広がっていて、そっちもそっちで「こっちが本家だい」と
主張している模様。ビルの横のやや怪しげな階段を下りていくと石碑がありました。

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これで見学ポイントはコンプリート。午後四時過ぎでしたが「すでに開いている店がある」と
H氏おすすめの大衆酒場に吸い込まれる我々一行でありました。