南部戦跡巡り

二日目は南部戦跡巡りです。
重い事実や不公正な現実に出会った1日でした。

まずはアンティラ壕。ここに入るのは初めてです。
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事前に靴が汚れるよとかいろいろおどかされましたが、この日は何の問題もありませんでした。
一般見学者が入れるのは入口入ってすぐのところまででしたので、外の明かりも見え、
ほかの壕に比べると閉塞感や恐怖感がないので、これなら過呼吸で倒れるお客様はいないかな、
と一安心。ただ、壕やガマの中で懐中電灯を消して、自分の手すら見えない真っ暗闇を
体験できないのは残念。

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さて壕を出て平和ガイドから話を伺いました。
私はそこでどうしても聞きたいことがありました。それは私も良い歳。
そしてガイドも終戦時に10歳ということは80歳。失礼を覚悟で私が沖縄の戦争経験者から
直に話を聞くのは最後かもしれない。なので壕の中での出来事を話して欲しいと伝えました。

というのもガマの中での日本兵の振る舞いについては集団自決を強要したという
証言もあれば、そんなことはなかったという主張まであり、自分で確かめたいという
気がしたからです。(右傾化する世の中では、今後いっそう日本軍兵士による行為は
消されていくこととなっていくでしょう。)

平和ガイドは私のガマでは集団自決はなかった。しかしスパイ容疑やら・・・
と言ったところ(言葉自体の正確さは曖昧です)で目を閉じて滂沱・・・。

この場合歴史家はどう判断するのであろう。ガイドは明確な言葉を発していない、
しかもこれは文献の歴史ではなくオーラルヒストリーである。しかも録音もしていない。
言語というものを重視すればスパイ容疑」だけしか語っていないのだから、
スパイ容疑でどうなったのかは解釈が自由である。しかしカウンセリングの研修で
重要視しているのが非言語表現である。そこから判断すればスパイ容疑をかけられた者が
ひどいことになったと解釈したい。

そのあとは通常のガイドの話となり説明は終わった。私はガイドに近づき当たり障りのない
話をするのではなく、もっと生々しい話をしてはどうかと聞いた。すると、そういう話を
するとお客様から苦情が来る。だから本当のことが言えないんだ。といった趣旨の話をされた。

現在この国を覆う重黒しい空気をここでも感じてしまった。

そしてどうやら自衛隊の海外派兵が決定したようだ。私は反対である。しかし多くの国民が
議論の末にそれに賛成であるならばやむを得ない。自衛隊の隊員がPTSDに苦しんだり、
帰国時自殺してしまったりということになるのは(アメリカでは問題になっています)
なんとも嫌なのだが・・・。私はそのような国民の「覚悟」を問うためにもきちんと
憲法改正の議論をしてから決めるべきだと今も考えている。

ガイドは私はまだまだ話したいことが沢山あるといって名刺を下さった。
しかし日々の忙しさの中で過去を振り返る面倒くささも感じている。
ガイドの話は重いものになることは決まっている。それを聞くということは、ある程度
引き受ける事にもなるので嫌だなと思うのも正直なところだ。

今でも財布置き場に名刺を置いてある。朝出勤するときに一瞬だけその名刺が視野に入る。
お前はそれでいいのか?と名刺は語りかけてくるが、「だって忙しいんだもん」と
言い訳をして出勤している。隠してしまえば苦しまなくて済むし、日々の楽しさの中で
忘れてしまえば楽に暮らせるのだが、はて私はどのような道選択するのだろうか。
その葛藤をブログにアップし、将来振り返りたい。

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さて平和祈念資料館です。ここの展示もとっっっっても重いのですが、お見せするのは
この写真にします。そうだ、思い出した。ガイドが強調していたことがあった。でも後で書きます。

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沖縄戦の民間人、日本軍(当時日本であった朝鮮の人の名前もある)、米軍の戦没者の名前が
石碑に刻まれています。沖縄戦の死者は22万人という数字で表すのではなく、
個人の名前を記されたこの黒い石板の数を見るたびに、戦争のおぞましさを感じます。

実は私のお客様の中で、親戚が沖縄戦で亡くなっているので、その名前を探してきてと
言われてきて方がいました。そこで上の写真の検索装置で出身地、名前の頭文字を入れると
その方の名前が・・・。私はその方とはなんの関係もないし、当然あったこともないのですが、
死者22万人という数字の中から、お一人の名前を探し出した衝撃というか、急に
胸が締め付けられるような感じがしました。

その後そのお客様とそのお名前を探し、紙と鉛筆で拓をとってきました。
なんとも言えない気持ちになりました。

さて、私は以前パールハーバーを訪問した際に、追悼について若干記しています。
このブログを最近読み始めた読者は知らないと思いますので、当時の記事をどうぞ。

そして以下の写真は普天間飛行場。たしかに住宅地のど真ん中にありますね。
おやおや右手にはオスプレイです。
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今日はたくさん書きましたし、たくさん内省しました。疲れたので普天間の話とかはまた今度。