ガンカメラの衝撃

産経新聞での曽野綾子氏のコラムで、久しぶりにアパルトヘイトというものの存在が
クローズアップされてきましたね。言論の自由がある国とはいえ、なかなかすごい発言を
するものだと呆れております。氏は教育再生実行委員だったそうで、まったく・・・。

さて、気を取り直して今日のテーマ。

以前よりYahooのポータル画面に現れている無料動画GYAO!(有料のものもあります)に
注目していました。これまでもアンゴラ内戦をキューバ人視線から捉えた映画や、
アフガニスタンでの戦争をソ連兵の視点から捉えたものなど、超マイナーな映画が
無料で公開されており、楽しませてもらいました。

特に後者など「ランボー怒りのアフガン」等観てすっかり「ソ連の悪いやつらめ!!」
と思っていましたが(私はあの介入は批判されるべきものだと思っています)、
ソ連兵目線で描かれたこの映画を観ていると、すっかりソ連側に立って物事を
観てしまうのです。映画の影響力ってすごいですね。

そういった意味では、アメリカ、ソ連側から描かれた映画はあっても、戦場にさせられて
しまったアフガニスタンの人々の視点からの映画がないですよね。いや、あるのかな、
でも商業ベース的には難しいだろうから、例えあったとしてもユーロスペースとか、
岩波ホールあたりでしか上映されていないかもしれませんね。

で、今日はB-29本土爆撃という無料映画を観ました。アメリカの記録映画です。
カメラはサイパンから東京を爆撃するB29の作戦を追っていきます。あの憎っくき
ルメイも賞賛されています(ったく、勲章あげたのどこの国だ!?)。

B29から焼夷弾が落とされ、日本の国土で炸裂している動画も強烈でしたが、
(ああ、この閃光した瞬間に死んでるんだな・・・と思うと悲しかったです)
硫黄島から飛来する護衛のP-51マスタングのガンカメラの画像がさらに強烈でした。

本土を守る日本の戦闘機は火だるまになり、B-29は悠然と爆弾を落としていきます。
そして爆撃の護衛の任務が終わるや機銃掃射していく、そのガンカメラの動画を
見ることができるのです。

これは小さな操車場ですね。カラーフィルムというのも驚きですよね。
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これも操車場。「カレチ」でも機銃掃射でやられた話がでできますし。先日鉄道博物館入りが
決定したEF55の運転台にも機銃掃射の跡があります。中央線の湯の花トンネルの話もこの辺り
では比較的有名です。ですが、五日市線多摩川鉄橋を通過する列車への銃撃があり、多くの
死傷者が出でたことはあまり知られていないように思えます。

これも操車場ですね。
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そして走行中の列車、特に機関車への銃撃シーンもありました。この絵では
分かりにくいのですが、煙突以外のところからも白い蒸気が上がっており、機銃でボイラー
を損傷したものと思われます。う~ん、乗務員は無事だったのかなぁ・・・。
イメージ 3

ということで戦争の実態を知る良い題材だと思いますので、暗い気持ちにさせられますが
しっかりと見つめる必要のある映画かと思い、諸兄におすすするものであります。