黒部峡谷鉄道
週間天気予報では傘マークがついていたのですが、
車庫にはこんな部品もありました。
前線がおもったほど南下していないようで、良い天気でしたので宿を6時に出ると、
高速を利用したこともあり、宇奈月には7時過ぎに着くことが出来ました。
夏休み中とはいえ、平日の始発列車ですので座席は容易くキープすることができました。
私たちの車両にはバッチリ登山装備をされたご夫人が1人でしたので、ほぼ1両
貸し切りです。
ナローゲージの鉄道で、しかもすべての列車が客車列車という珍しい鉄道です。
中にはこんな感じで有効長が短いため一旦引き上げ線に突っ込み、バックしてから
進むという昔の熊の平信号所のような配線も健在でした。
私は小学生のときと大学生のときの二回ほど黒部峡谷鉄道に乗車していますが、
車両は更新されているもののあまり変化がありませんでしたが、素堀のトンネルの
内壁がコンクリートで補強されていたり、カーブでの軋み音が大幅に軽減されていたり
(きっと台車に秘密があるのかな?)、危険箇所には落石防止のためのシェドが
多数建設されていたりと、安全対策が進んだなぁと感心しました。
宇奈月に戻って、たまたまやっていた車庫の見学会に参加し、社員の方にそのような
変化の感想を話したところ、「我々は安全に対してはきちんとやっている。スイスでの
事故もあったし、山岳鉄道は危険が多い。だから運行前には機関車だけで一往復して
線路の安全点検を必ず行っているし、山の斜面のどこに危ない岩があるのかを
調べ、それを予め落としておくなどしている。」との話を聞き、このような過酷な
環境下で無事故で鉄道を走らせるプロの心意気を聞き、なんだかうれしくなりました。
なお、その時に使用するディーゼル機関車はこれです。
運転台に入れてもらいましたが、アクセルは左腕で動かすスティック。ブレーキは
右足を使ったフットブレーキという自動車チックなものでした。
写真を撮らなかったのが残念ですが、実は助手席にはスズメバチ駆除用の
巣を発見したら、その駆除もしているのだろうなと推察しました。
さて写真の順番が入れ替わっていますが、終点の欅平です。平地がほとんどなく、
谷に沿う形で駅が建設されているので、構内は狭隘です。ホームで立って撮影する
私の目線と客車の屋根の高さを比べると、いかに車両が小さいかが分かるはず。
これから機回し作業を行おうとする場面です。
上の写真の手前には工事用列車が発車準備をしていました。
最後尾の小さな無蓋車がかわいらしいですね。
欅平では8月の大雨で遊歩道が閉鎖中とのことで、約一時間ほど駅の近くを散策し、
結果としてこの客車は貸し切りとなりました。なもんですから枕木方向の
4人がけのシートに横になり、「コハネ」気分を味わいました。
窓が開かない列車が多くなった現在、ロングレールがないためジョイント音が響く、
ナローの吹きっさらしの客車で横になるのは、グランクラスよりも贅沢なことでは
ないでしょうか?
とはいえ座席にだらしなく寝ている姿は、交換する時に反対側の列車の
お客さんから丸見えですので、交換駅が近づくと起きてきちんと座り直しました。
沿線には道路が全くないため、発電所のメンテナンスなど、この鉄道による輸送がすべて。
こんな感じで分解して輸送するのですね。まぁ昔はブルドーザーを分解して冬の立山を
越えたり、日電歩道という1億円積まれても歩きたくない危険きわまりないルートで
ボッカしたのに比べれば、便利になったといえるでしょう。
車庫の見学では、こんなリベットがゴツゴツした古典ロコがお出迎え。
これは車内から撮った、私にとって「排砂実験」で知り得た「出し平ダム」。
このあと宇奈月ダムに行ったのですが、ダムの話と排砂の話は次回に。
おしまい。