南紀5号

もうゴールデンウィークに入ろうかという時期になっても、
まだ春の報告が終わっていないという体たらくをお許し下さい。

さてこの日の午後は天気がよくなかった事もあり、紀州鉱山跡のトロッコ列車
乗りに行く事にしました。地理屋でトロッコ好きでしたが、不勉強にもこの旅行まで
紀州鉱山についてはなんとなく・・・程度にしか知らず、今回いろいろと勉強になりました。

何度も言いますが、本当に紀伊半島は山深い。新宮まで来るのも大変でしたが、
いやはや新宮から紀州鉱山のあった所まで行くのも大変。とはいえ昔は今よりも
もっと「酷道」であり「険道」だったのでしょうね。

さて着きました。素晴しいバッテリーロコ!!そして手作り感が漂う木造客車。
鋼体化工事なんてしてません!!

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客車は極めて小さく、今は腰痛がおさまっているからよいものの、腰痛持ちなら
乗り込む姿勢で「あぁ!!」となってしまいそう。
シャーシというか台枠は木ですよね!?触って確かめてくればよかったです。
ジャンパー栓は機関車から電気を受け取るもの。ほとんどの走行区間
トンネルですので、車内にはほのかな明かりがともります。

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出発するやすぐトンネルで、きっと板バネすらないんじゃないかな?
強烈な乗り心地でした。ジョイントの部分を通過する時は、客車を下から
ハンマーで叩かれているような衝撃!!トロッコマニアとして至福の時です。

楽しい時間はあっという間に終わり、5分程度で反対側の駅に到着。すぐに機まわし
が始まりました。

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ここには予備編成がありました。機関車は上のものよりもっとワイルド。
ただピョコンと出ているライトが愛らしいですね。

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う~ん。無理だと思うけれど広い敷地の家に住んで、こいつを走らせたい!!

さて、そろそろ折り返し列車の発車時刻です。ここではその列車の「露払い」として
サイクル列車?の運転もあり、この時はカップルが走って行きました。
これはこれで楽しそうですね。電動アシスト付ですから楽々でしょう。

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さて露払いが出発したあと、しばらく間隔をおいてから列車が出発します。
この日は桜もそこそこ見頃でした。

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ちなみに左にあるのはサイクルトレインの後ろにつける「客車」。
こんな感じで使うのです。これも楽しそうですね。

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さてトロッコを堪能した後は、紀和町(現在は熊野市)鉱山資料館に行ってみました。
期待通り、ヘロヘロな乗り物だたくさんおいてあって大興奮!!

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下の機関車はさっき「檻」の中に入っていた予備機関車と同じタイプかな?

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で、この後資料館に入ったのですが、雨の平日の紀州の山奥の資料館ですから
当然お客は我々一行のみで、よろしければ解説しましょうかという学芸員さんの
お言葉に甘えて学芸員さんを侍られてという大名見学。見学の際いろいろ便宜を
図っていただいたのですが、その内容はスゴすぎてここで文字化できません〔笑〕。

中でも印象的だったのは「くじ」の存在で、坑内の作業は場所や職務によって
危険度が違うため、今日の持ち場を決めるのに「くじ」が使われていたという話。
これなど学芸員さんがいなければ分からなかった事で、貴重な経験でした。

あそこが選鉱場の後ですよ、という所を見学して帰りました。雨だったので
歩き回らなかったためか、鉱山特有のなんとなく暗い雰囲気を余り感じませんでした。
車で通った限りでも炭坑住宅のようなものがなく、それが炭坑チックな雰囲気が
なかった理由なのかな・・・とか思いましたが、また行くにしても遠いところです。

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この日の夜は、雨が降っていて暗い感じだったのに、足尾や別子で感じたような、
廃鉱山の街を歩く時に感じる「諸行無常感」がなかったのはどうしてかなぁ・・・?
紀伊勝浦の船でたどり着く巨大旅館の風呂で考えました。