ディープな成田
先日の土曜日は、成田空港近くのホテルで研修会があり、講師として話をしてきました。
交通費も含めてボランティアでしたがお昼はいただけるとの事で皆さまと楽しく会食し、
午後三時に高校時代の友人と成田で待ち合わせるまでは時間がありました。
そこで、ディープな成田を散策して参りました。
「shibachiri777さんはどこから帰るのですか?」と聞かれ、
「この近くに東成田という駅があって、そこから芝山鉄道という一駅しかない鉄道が
あるのでそれに乗ってから帰ります」と正直に説明したのですが、多くの方には
かえって「?」を頭の中に増やしてしまったようで、「ちょっと変わった鉄道が
あるのでそれに乗ってから帰るつもりです」と適当に答えた方が良かったのかな。
さて研修会があったホテルのフロント氏に、念のため「東成田駅はどこですか?」
と聞くと「あの信号を右に曲がると駅に通じる小屋があります」とのこと。
「駅に通じる小屋?」と、なんともすっきりしない、しかしなにかディープな鉱脈に
出会いそうな回答に、自然と口元が緩む小生でありました。
で、その小屋とはこんなものでありました。パトライトがあるので交番か警備用の
施設かと思いました。
右に小さく「東成田駅入口」と書いてあります。しかしなんで建物の中に机が?
というと、下車してくる客のセキュリティーチェックの為の「関所」があったのです。
現在の成田空港駅にも同様のものがありますが、ここは照明も暗く、とても近くに
国際空港がある所とは思えない感じでした。「関所」の撮影ははばかられたので
映像はありません。私は乗車する人間ですので「関所」はスルーでした。
そこを抜けるとようやく駅らしい表示が。
しかしまぁ壁がくすんでいますよね。大昔の都営浅草線のような雰囲気です。
階段を下りるとこんな光景が。
私以外はだれもいません。そしてこの無駄に広いコンコースと後で塞いだ事が
わかる右側のスペース。そう、ここは1978年から1991年まで京成電鉄の
駅に乗り入れていますが、当時はまだ「成田新幹線」計画が残っており、要するに
「京成みたいな民鉄が空港ビルの下に乗り入れるなんて生意気!!」として第一ターミナルから
歩いて10分ほどのこの不便な場所に「成田空港駅(初代)」が出来たという訳なんです。
この点については石原大臣の判断は極めて正しかったと思います。都知事としては・・・。
さて、ホームに降りるとかつての特急ホームが見えました。
ん?駅名が?とズームして確認すると・・・。
おお、昔のままなのですね。う~ん、ディープだ。
かつての「博物館動物園」駅のようだ・・・。
で、芝山千代田行きの電車がきました。芝山鉄道は1時間に2本程度なので、ラッキー!!
整備所に待機する旅客機を見ながら2~3分で終点につきました。
終点の芝山千代田、この反対側の景色はこんな感じ。
という整備所に近い路線ですし、国が地元農民の意向を無視して強引に建設し、
そこに当時盛り上がりを見せていた左翼運動も合流し、激しい成田闘争が起こりました。
ですので、その過激派対策として、この鉄道には二名の制服の警察官が添乗しており、
車内を徒歩巡回していました。
駅前には広い駐車場が整備されており、地域の人たちがパーク&ライド方式で
利用している事、また駅近くには空港に隣接する機体整備場があるため、
そこで働く人々がこの駅を利用しているようでした。
空港第二ビルに続く全長500mの地下道を歩いてそこからJR線で成田に向いました。
で、この地下道が実にシュールなんです。500mの地下道は400mと100mの直線が
直角に交わっているのですが、途中には非常出口しかなく、また商店等も全くないため、
純粋地下道なのです。気の弱い人はちょっと歩きづらい感じの所です。
なんというか、SFチックな地下道です。地下道マニア(知らないけどきっといるはず)
には有名なんでしょうね。案外、地下道マニアの聖地だったりして(笑)
このように起伏のある400mの地下道は、なにかのロケかなにかに使った事があるのかな?
とか思いました。で、空港第二ビルからはエアポート成田の先頭車でかぶりつき。
お目当ては隣の京成電鉄の緑(俗に青と言われていますけど・・・)が二つ点灯している
「高速進行」の信号表示。
トンネル手前の緑の二灯が「高速進行」、そしてカーブのためこの信号を中継する
中継進行も進行表示が二つタテに並んでいますよね「高速進行」です。
別に信号マニアではありませんが、なかなかしびれる光景であります。
そしてこの後成田に着くや、三毛ジャガー氏救援作戦に突入する事になったのです。