戦没者の追悼

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 一転して、今日はまじめな内容。

 戦艦アリゾナを降りたところには一枚目のような、戦艦オクラホマの追悼施設がありました。
立っている白い石碑には戦没者の氏名と当時の階級?が書かれいて、その石碑の多さを見るにつけ、
これほどの人が犠牲になったのか、という歴史的事実を視覚的に理解する事ができます。
 二枚目はこれまた日本軍に沈められた戦艦ユタの残骸です。引き上げずにそのままの姿で
保存するというのは、戦没者追悼という事もありましょうが、「油断しているとこうなるぞ」
との戒めを現役軍人に訴えているような効果もあるのでしょう。
 三枚目は、これまた日本軍によって沈められた戦艦アリゾナの追悼施設の外観。
その内部の写真が四枚目です。ここには犠牲者約1100名一人一人の名前が刻まれている。
私は中国の軍事博物館、シンガポール戦争博物館、そしてソウルのパコダ公園
と同様の「日本人として申し訳ないなぁ・・・」という気持ちになってしまう。
隣のアメリカの先生に「ここは日本人としてちょっと居づらい雰囲気だ」と率直な
感想を述べたところ、「そうでしょう。私も広島で同じような気持ちでした。」と
言われ、救われた気がしました。
 
 このように戦没者を「数」ではなく個人として追悼するというのは、その重みを感じる
という点で素晴らしいと感じました。しかし同時にアメリカはそれが少ないからできるの
だろうとも思いました。日本では沖縄戦での戦没者の氏名が敵味方に関わらず記されており
その多さに気が遠くなりかけます。しかし日本人の市民を含む犠牲者は300万人という
現在のモンゴルの人口を上回る膨大なもので、確かにその全ての氏名を記すというのは
現実的には難しいのかもしれません。しかしこの300万人の人は、それぞれ人格を持った
個人であり、今の私たちと同じ普通の人だったはずです。
 300万人の全ての人には親が願いを込めてつけた名前があります。ですから犠牲者の名前を
読み上げたらどうなるのだろう?とおもって計算してみたところ驚きました。
 仮に戦没者の名前を読み上げるだけのラジオ番組があったとしましょう。
月曜日から金曜日まで、朝九時から夕方五時までの8時間、休みなく名前を呼名するの放送時間。
一人の名前を呼名するのに要する時間を3秒として計算すると、
300万人の氏名を読み終えるのにどれくらいの時間がかかると思いますか?
 なんと1年と2ヶ月半!!
 あまりの犠牲の大きさに、言葉がありません。