ガントレット

クリント・イーストウッド主演の「ガントレット」という映画があった。
その映画タイトルを聞いた時に「ええ~、ガントレットっていえば名鉄の変な区間のことじゃん」
と既に鉄道ファン誌を読んでいた私は思ったものでした。
 最近では「ストーカー」という言葉を聞いて、「でもストーカーってC62とかに
付いていた自動給炭機だよねぇ」と思いましたが、今改めて調べてみると
蒸気機関車についていたのはstoker、近年マスコミで取り上げられる変態の方の
ストーカーはstalkerで、別の単語だったのですね。なるほど。

さてそのガントレットですが、鉄道での意味は複雑です。
ウィキペディアの該当ページを記すとともに、その画像を拝借しました。
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 ガントレットだったらすれ違いもできないし、最初からポイントを設置すれば
良いではないかと思うでしょうが、ポイントを作ってしまうとその保守・点検が面倒ですし、
今のようにCTC化されていない時代では、ポイントの切り替えの為の作業員の配置も
場合によっては必要になるかもしれないからこのような線路をつくったのでしょう。
 ちなみに日本ではこのようなガントレットは存在しません。
かつてリスボン市電に乗った時にはあったような気がしましたが・・・。

 そのガントレット名古屋城の外堀に1976年まで存在しました。かねてよりその遺構を
見てみたいな、と思っておりましたので名古屋ベースからその廃線跡を見に行きました。

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 先日のプラタモリでもやっていましたが、お堀の中に電車を通すというのは、明治維新
不要となったお城の堀を有効活用するという意味でも、また踏切がないという意味でも
再利用として適切な訳ですね。
 で、この名鉄瀬戸線(かつては瀬戸電気鉄道)の開業当初は、運行本数もそんなに
多くなかったでしょうから、線路二本分の穴を開けるよりはガントレットとする方が
よかったのでしょうね。
 そのガントレット部分を写したものが上の写真です。

 当時の終点は堀川駅。その駅の跡地を写したのが以下の写真です。
実は名古屋城はちょっとした高台に位置し、その崖の下に流れているのが堀川でありまして、
瀬戸からの陶磁器を船に乗せ変える場所としてここにターミナルを作ったのには意味が
あるわけですね。
 ちなみに名古屋城濃尾平野の低地に位置する清洲城から移転したのですが
(正確な表現ではありませんがご容赦を)、このような高台に城を造れば
木曽三川が氾濫しても問題ないというわけです。

 ちなみに名古屋の地形を学んで行くと、熱田神宮も高台の端に立地しており、
古の建物はすべからく地形を重視していることが分かり興味深いです。
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 この日はこの後、栄にいってそろそろ閉店となってしまう日車夢工房を見学し、少々栄の街を
散策し、高蔵寺に帰りました。

 翌日は以前より豊田市に行ってみたいと思っていたので、高速で一気に豊田へ。
トヨタ会館ではじっくりトヨタの「カイゼン」や品質管理を学び、また自動織機についての
知識を学び、さて、ではそろそろ岡崎に行くかなとおもって外に出ると工場見学の
アーバスが出るところでした。ダメ元で飛び込みで参加したいのですが・・・と
おそるおそる尋ねてみると大丈夫とのことで。早速バスに乗り込み、iQとカローラ
生産している工場を見学することができました。なお、工場内は撮影禁止ですので、
画像はありません。

 車の生産ラインを実際に見るのははじめてでしたが、効率を極限にまで追求したその
工程は実に素晴らしいとは思いましたが、働く者の身になって考えると、同一部品の取り付け
を一日中やるというこの労働スタイルは「やりがい」「達成感」という面において
厳しいものがあるのではないかな?と思いました。だからこそ、現場からの「カイゼン」の
提案を奨励しているというのは、無機質な労働の中で自分の頭脳を使って達成感を味合わせる
ためでは?とも穿ってしまいました。

 トヨタ会館で食事をし、その後は岡崎に向かいました。私の好物の八丁味噌の工場見学です。
まぁ地理屋ですから、観光はたいてい社会科見学になっちゃうんですね(笑)。そこの
味噌蔵はこんな感じ。

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 なかなかいい雰囲気ですよね。見学のお礼として味噌煮込みうどんセットを購入し、
その日の夕食としましたが、大変おいしゅうございました。ちなみに私は名古屋に行く度に
スガキヤの即席「味噌煮込みうどん」を購入してくるほど味噌煮込みうどんファンであります。

このあと岡崎市街地を車中から見学し、想像以上に大きな街であると感心しました。

なお、翌日は名鉄1日乗り放題キップの旅をしたのですが、その報告はまたの機会に。