剣岳は雲の中

普段はお客を乗せていない鉄道というものがあります。
例えば製鉄所の中の鉄道もそうですし、貨物専用線もその範疇に入ります。
そんな中でも極め付けなのが黒部第三発電所工事に伴い掘削されたトンネルです。

ここは以前NHKの特集番組で観てからというもの。そして確か大学生の時に
吉村昭の「高熱隧道」を読んでからというもの、是非行ってみたいところでした。
しかし当然営業運転なんかはしていません。ところが、何時から始まったのかはわかり
ませんが、関西電力富山県が共同で?見学会を開催しており、それに当選すれば
乗れると知りました。ところがなかなか休みと見学会の日程が合わず・・・
ということでしたが、休みの日に応募したところ見事当選!!

ということで、以下数回に分けてご紹介いたします。

高速の深夜割引を使うべく、朝の三時に起きて黒四ダムサイトには朝の8時過ぎには
到着しました。お客はトロリーバス一台で十分という少なさで、多くのお客はそのまま
ケーブルカー乗り場を目指しましたので、ダムの堰堤の上には観光客はゼロ・・・。

そのトロリーバスですが、関電トンネルのほぼ中間に位置する信号所では
タブレット」もどきの受け渡しをしているのを初めて見ました。
対向してきたバスは4台?で先頭車の運転台と我々が乗るバスの運転台が横付けになり、
我々のバスの運転士から、対向バスの運転士に「タブレット」が渡され、
対向バスの最終号車のバスから「タブレット」をもらっていました。

ジュニアの観察によると、最終号車のバスの屋根には、最終号車を示すランプ?が
付いていたようです。私は架線分岐点でのトロリーの動きを追っていたので気づきませんでした。

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この見学会の参加者には黒部湖の遊覧船の割引券が配られていましたので、我々も
遊覧船に乗ってみることにしました。この日の黒部湖は雨が少ないせいで湖面が低く、
桟橋まで階段を下るのが大変でした。でも階段はもっと下まで続いているのですね。

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遊覧船は揺れることもなく、極めて快適でした。

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さて集合し、本人確認と手荷物検査の後、バスに乗り込みました。

途中こんな光景も、「フラッシュは焚かないでくださいね」と言われました。
「はい、大丈夫です」と答えながら撮ったのがこれ。ISO8000 1/100 f4.5
7Dmk2は、高感度撮影能力も高いですねぇ・・・。

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下のトンネルは関電トンネル(上のトロリーバスが走っているトンネル)で運び入れられた
黒部川第四発電所の資材を運び込むためのトンネルです。
ここは観光客相手のトンネルではありませんので、トロリーバスではなく普通のバスでした。
その車中から撮ったのが以下の写真。まぁ普通のトンネルですよね。
この地上部分は黒部川の峡谷。日電歩道という高所恐怖症の私は絶対に歩けない
歩道のみがある、極めて険しい谷があるところです。

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トンネルは横穴が数箇所あるらしく、我々はその中の一つに向かいました。
停車したバスとトンネルを撮ったのが以下の写真です。

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さて、横穴の鉄柵を開け、外を眺めると・・・。

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残念、剱岳は雲の中ですが、数少ない日本の氷河を望むことができました。
この景色を見るためには、この見学会に参加するか、あるいは危険な日電歩道を
歩いて来るしかないため、私は大変感激いたしました。

日電歩道。とにかくすごいところですから、画像検索してみてくださいね。