ダム湖に沈む駅
夏の青春18キップの有効期限最終日、ダムに沈む吾妻線の川原湯温泉駅に
行ってきました。185系が最後となる春にも行きましたので、この1年に
2度も行っていることになります。
さて高崎から長野原草津口(この手の合成駅名は嫌い)に着き、下って来る
特急をホームの端から撮りました。右には10月から使用される新線が写っています。
中学校1年の冬にEF12を撮りに長野原~川原湯で撮影をしたのです。
今思えば、当時ここで狙った貨物は羽根尾工臨で、毎日運転する訳ではないのです。
しかし当日はそんなことは知りませんでしたので、雪ですっかり濡れてしまった
靴に凍えながら「来ないなぁ・・・」と待っていたのです。
そんな思いで深い撮影ポイントも電車が通らなくなってしまうので、そこを
訪れたかったのですが、およそ30年の月日は木々を成長させ、カーブが見通せなくなって
いました。そこで、予定を変更し乗ってきた列車の折り返しにのって川原湯温泉に
行くことにしました。
撮影してみました。まずは車内。シートは改装されていますね。
つぎはいつも目にはするけれど記録していないこんな表示や
こんな表示を(笑)
いつでも行けるやと思っていた節があり、結局廃駅寸前になってしまいました。
まずは上りの回送を構内の跨線橋から撮影。橋脚上部の小さな2つの表示の所が
水面ですから、この駅は完全にダム湖に沈む訳です。
急いでズームを引いて、こんどは駅舎とともに撮りました。
委託駅?だろうとおもわれるので、列車監視は業務外では?と想像しますが
ちゃんと担当の方が通過回送列車を監視しているところがうれしい光景でした。
この日は平日でしたが駅は比較的多くの人々で賑わっておりました。
駅舎の中では写真が展示されておりました。そこにはご夫人のブループがいて
ここでのお祭りは・・・とかいろいろ話をしていました。国道を歩いていると
大変だねぇ、乗ってきなよって知らない人の車に乗っけてもらってたわよねぇ。
今じゃそんなことしたら大変よねぇ・・・と思い出話をしていました。
あぁ、関東平野、そして東京を水害から守るためにこのご婦人方のふるさとを
奪うことになってしまうのだな・・・と思いました。東京の電気のために犠牲に
なった福島、そして日本の防衛のための犠牲を過度に負担させられている沖縄。
純粋な鉄道旅行に来たつもりでしたが、社会について考えさせられることとなりました。
川原湯温泉駅付近には日本一短いトンネルである樽沢トンネルがあります。
トンネルは水没区間から外れていますが、10月からは列車が通りませんので
記録しておきたいなと思ったのです。
続いて新参者の651系の特急です。緑あふれる景色ですから白い色は目立ちますね。
駅まで戻る途中には、将来ここのダムの堰堤が出来ますよという看板がありました。
今は自然の渓谷ですが、この斜面が発破され、巨大なコンクリートの堰堤が
出来るのですね。
下り電車にのって万座鹿沢口まで行って折り返そうかとも考えましたが、
小野上温泉の誘惑を断ち切れず上り電車に乗ることにしました。
小野上温泉は泉質もやさしく、のんびりと汗を流してから帰京いたしました。